財全GROUP PRESENTS「Build The Future」。本特集は、WEBメディア「HUB沖縄」と財全GROUPの特別企画です。財全GROUPが経済 / 経営 / マネーを軸に、沖縄の未来を築く輝かしい人びとを紹介しています。特集記事はHUB沖縄へ掲載されたものです。

SNSマーケ、フォロワー数重視はもう古い?鍵はコアファン層

各企業がこぞってマスメディア広告からWEB広告へシフトする中、SNS戦略の重要度はますます高まっている。企業は公式アカウントで自社商品やサービスをPRするキャンペーンを打ち出すなど顧客の獲得に必死だ。

 そんな中、従来型のWEB/SNSマーケティングとは一線を画す「ファン創り」を軸としたWEB/SNSマーケティング支援に沖縄で唯一乗り出したのが株式会社AIENKIEN(那覇市、平木宏空代表)だ。企業顧客の中から、その企業のファンを見つけ出し、継続的にサービス・商品を購入する「コアファン」に育てることで企業を支援している。従来のWEB/SNSマーケティングとは何が違うのか?同社の中山拓也取締役に聞いた。

ファン創りマーケティングとは?

ファン創りマーケティングとは?に答える中山取締役

 「ファン創りマーケティング」とは、LINE、Instagram、Twitter、FacebookなどのSNSを活用し、企業の潜在顧客の醸成や顧客の可視化などに取り組む手法だ。「ファン」とは業界によって「リピーター」「ロイヤルカスタマー」「アンバサダー」などとも呼ばれる。同社はファンの存在が企業にもたらしてくれることとして①売上向上②広告宣伝費の減少③ブランディング―を掲げている。

 中山さんによると、一般的に売上の約8割はファンが作っていると言われており、企業にとっては「新規顧客獲得コスト」は「ファンの消費行動を促すコスト」より約5倍もかかるという。また、コアなファンからは事業の可能性を広げる新しい情報や、サービス・商品の改善に直結する意見を吸い上げることも出来るため、企業の繁栄に欠かせない存在だ。

 「SNSは炎上が怖い」と慎重な姿勢を見せる企業もいるが、中山さんは「逆に商品やサービスを好んで利用するファンが炎上を抑えてくれることもある」と市場におけるブランディング効果にも期待する。

ファン創りマーケティングのゴールとは?

従来のWEB/SNSマーケティングは集客をゴールにしているが、ファン創りマーケティングはフォロワー数だけを追うのではなく、顧客との関係性に重きを置きサービスや、商品を愛してくれるファンを増やすことをゴールに設定している。

 WEB/SNSマーケティング業界が玉石混交の時代に、中山さんがファン創りを軸としたマーケティングを展開した背景には前職の経験があったからだ。

 前職の大手IT企業系列でWEBマーケターとして経験を積み、約7年前に子ども向けのプログラミング事業を沖縄で初めて立ち上げた。黎明期からWEBを使った集客と対面でのコミュニケーションで業界を牽引してきた。子どもや保護者の好奇心や向学心に火を付け、プログラミングの楽しさや将来性を共有し、一緒に事業を成長させてきた。

 この経験から、生徒・保護者(ファン)の悩みや課題を解決できる丁寧なコミュニケーションが事業の可能性を広げ、認知度向上にも繋がることを身を以て知った。

 「顧客と企業が共に成長するためには、相互に質の良いコミュニケーションが欠かせない」

広告はpush型からpull型へ。よりパーソナライズされた手法に変わっていく

広告はpush型からpull型へ。よりパーソナライズされた手法に変わっていく

一般的なWEB/SNS広告はpush型と呼ばれ、AIがランダムに広告を表示する。ファン創りマーケティングでは逆に、顧客が欲しいタイミングで情報を届けるpull型を目指している。大手衣料メーカーもLINE公式アカウントで実践している手法だ。

 同社では以下の流れに合わせて、SNS広告、インフルエンサー活用、イベント開催などを打ち出していくという。

  • 潜在顧客への認知獲得
  • 興味関心を引きつける「好意度」の向上
  • 競合・同業社と比較して顧客が企業名やサービス・商品名を思い浮かべる「想起率」の向上
  • 購買意欲の向上→リピート率が重要になる顧客の生涯価値の向上

業界で生き残るためには、自社の特色に合わせたコミュニケーションを

どの業界もサービス・商品のPRだけでなく、購入する消費者の生活に密着した豆知識など有益な情報を配信できるかがキーポイントになる。中山さんは「マーケティング=コミュニケーション。短期で効果を得ることは難しいが中長期的にファンを意識して運用すれば、企業の財産になる」と力説した。

 冠婚葬祭や車の購入などサービス利用・購買頻度が少ない業界こそ、SNSで日頃から顧客の興味・関心を引きつけ、企業名やサービス・商品名を記憶に植え付けることが出来るよう取り組むことが重要だという。

 中山さんは「マスメディアという大金を積む場を活用した宣伝から、SNS総発信時代になった。広告宣伝費に多額の費用を割けない中小企業こそ長い目で取り組む価値がある」と、自社クライアントへ伝えている。「特にコロナで悩む経営者には、今の時期だからこそ人材投資、新しいビジネスプランの立案、IT人材の登用に注力してほしい」

 同社は現在、個人事業主や会社員などに向けてマーケティングの基礎知識やファン創りのノウハウなどの講座も開いている。現在までに約121人が参加している。中山さんは「お金をかければ集客が出来るという考えから、自社を長期的に愛してくれるコアなファンを大切にし、顧客が顧客を呼ぶというサイクルを作り出してほしい」と話した。

WEB・SNS広告導入講座 受講生募集中

WEB・SNS広告導入講座の講師を務める平木宏空代表

同社では、WEB・SNS広告導入講座の受講生を募集しています。詳細・お申込みはこちら。https://aienkien.com/trial_ad/


本記事は、2021年6月25日にHUB沖縄へ掲載されました。